【2025年11月最新】インスタハイライトが「丸」に回帰？｜企業のマーケティング戦略はどう変わる？
- Ando
- 10月17日
- 読了時間: 24分
更新日：11月26日
2025年9月に長方形のグリッド表示へと大規模な仕様変更が実施されたInstagramの「ハイライト」機能が、11月中旬から再び従来の「丸いアイコン」形式に戻るという現象が多くのユーザーで確認されています。この突然の“先祖返り”は、企業のマーケティング担当者に大きな混乱と戸惑いをもたらしました。「せっかく四角いカバー画像を作り直したのに…」という悲鳴が上がる一方で、この変化を新たな好機と捉える動きも出ています。
本記事では、この一連の仕様変更の背景にあるInstagramのA/Bテストについての解説と、現在の「丸型」と「四角型」が混在する不安定な状況下で、企業が取るべき具体的な対応策を徹底解説します。UIのどちらの表示形式にも対応できる内容です。
最新のInstagramアルゴリズム＆機能変化を踏まえた運用戦略を解説した記事もぜひご覧ください。
目次
1. 何が起きているのか？2025年インスタハイライト仕様変更の全貌
現在の混乱を正しく理解するためには、まず2025年9月から始まった一連の仕様変更の流れを時系列で把握する必要があります。企業の期待を集めた「四角化」と、それに続く突然の「丸型回帰」。その背景には、Instagramのプラットフォーム戦略が隠されています。
2025年9月：「四角化」アップデートの衝撃と企業の期待
2025年9月、Instagramはハイライト機能に大規模な仕様変更を実施しました。これは、単なるデザイン変更ではなく、プロフィールの役割そのものを変革する意図を持ったものでした。
主な変更点は以下の通りです。
表示デザインの刷新
従来の丸いアイコンから、フィード投稿と同じ4:5の縦長サムネイルに変更。
ハイライト専用タブの新設
プロフィール上部に「投稿」「リール」と並んで「ハイライト」タブが追加され、タップすると全てのハイライトがグリッド表示される。
並べ替え・固定機能の強化
ドラッグ＆ドロップで表示順を自由に変更でき、最大3つまでのハイライトをプロフィールグリッドの最上部に固定表示（ピン留め）可能に。
アーカイブ機能の強化
ハイライトをメインの投稿グリッドから非表示にし、ハイライトタブ内にのみ残す「メイングリッドから削除」機能が追加。
この変更により、企業はプロフィールを単なる投稿の時系列リストではなく、訪問者を意図した順序で導く「戦略的ショーケース」として設計できるようになりました。多くの企業が、この変化をブランドストーリーを伝え、顧客を育成する絶好の機会と捉え、カバー画像の刷新や表示順序の再構築に乗り出しました
2025年11月：「丸型」への突然の回帰とユーザーの反応
企業がようやく新仕様への対応を終えようとしていた矢先の2025年11月18日頃、仕様が再変動しました。多くのユーザーのアカウントで、ハイライトが予告なく従来の丸いアイコン形式に戻るという現象が報告され始めたのです。同時に、新設されたはずの「ハイライト専用タブ」も消滅しました。
この“回帰”に対し、SNS上では様々な声が上がりました。
興味深いのは、9月の「四角化」アップデートが、一部のユーザーから「フィードと混ざって見づらい」「改悪すぎる」と不評だったという事実です。Instagram責任者のアダム・モッセーリ氏は、当初「従来のハイライト表示は視覚的に複雑」として表示形式の見直しを進めていましたが、今回の回帰は、その後のユーザーフィードバックを検証している過程で発生した可能性が考えられます。
なぜ表示が戻るのか？A/Bテストと段階的ロールアウトの真実
「自分のアカウントだけ丸に戻った？」「どうすれば四角に戻せるの？」という疑問に対する結論から言うと、これはユーザー側の設定ミスや不具合ではなく、Instagramが意図的に行っている「A/Bテスト」の結果です。
A/Bテストとは？
新しい機能やデザイン（Bパターン）を全ユーザーに一斉に適用するのではなく、従来の仕様のままのユーザー（Aパターン）と、新仕様を適用したユーザー（Bパターン）に分け、利用状況やエンゲージメント率などを比較・検証する手法です。Instagramは、国、OS、アカウントの種類（個人/プロ）、利用頻度など、非常に細かなセグメントで常に無数のA/Bテストを実施しています。
今回の「丸型回帰」は、以下のいずれかの理由によるものと推測されます。
テストパターンの切り替え（リバート）
Instagramが、「四角グリッド表示」のユーザーエンゲージメントが想定より低かった、あるいは不評だったため、テストグループの一部を意図的に旧UIである「丸アイコン」に戻し、再度データを比較している。
段階的ロールアウトの一時停止・調整
新UIの全面展開（ロールアウト）の過程で何らかの問題（バグやサーバー負荷など）が発生し、一時的に安定している旧UIにフォールバック（逆戻り）させている。
重要なのは、この表示形式がユーザー側のアプリ操作（再インストールやアップデートなど）ではコントロールできず、Instagramのサーバー側の設定によって強制的に決定されるという点です。したがって、現時点でユーザーが表示形式を選択することはできません。
2. UI混在時代の新常識：丸型 vs 四角型 徹底比較と影響の再定義
「丸型」と「四角型」が混在する現在、企業はそれぞれのUIの特性を深く理解し、戦略を再定義する必要があります。もはや、どちらか一方に最適化するだけでは不十分です。
企業のマーケティング担当者視点で、両UIの特性を比較整理します。
項目 | 丸型UI（従来 / 11月回帰後） | 四角グリッドUI（9月仕様） |
表示形式 | プロフィール直下に配置される丸いアイコン。 | フィード投稿と統合された4:5の縦長サムネイル。 |
視認性 / アクセシビリティ | ◎ 非常に高い プロフィール訪問者が必ず目にする一等地。最初の数個はタップされやすい。 | △ 低下する可能性 投稿と混在し、全体を見るには専用タブへの遷移が必要。ピン留めしないと埋もれるリスク。 |
デザイン自由度 | △ 限定的 円形にトリミングされるため、アイコン中心のデザインに限られる。 | ◎ 非常に高い 縦長のキャンバスを自由に活用でき、雑誌の表紙のようなリッチな表現が可能。 |
戦略的コントロール | △ 限定的 表示順は基本的に更新順。重要な情報を先頭に持ってくるには再投稿が必要。 | ◎ 非常に高い ドラッグ＆ドロップでの順序変更、最大3つのピン留め機能で、意図的な情報設計が可能。 |
マーケティング上のメリット | 重要なハイライト（例：キャンペーン）への瞬間的な誘導力。 | ブランドの世界観を深く伝え、訪問者を育成するストーリーテリング。 |
マーケティング上のデメリット / 課題 | 多くの情報を伝えにくい。デザインの差別化が難しい。 | ハイライト全体の閲覧率が低下するリスク。カバー画像の制作コスト増。 |
項目 | 旧仕様（〜2025年8月） | 新仕様（2025年9月〜） |
カバーデザイン | 丸型アイコン。アイコンデザインで世界観を統一しやすかった。 | 4:5の縦長サムネイル。意匠の全面的な見直しが必須。 |
アクセシビリティ | プロフィールを開いた瞬間に全てのハイライトが目視可能だった。 | 一部は表示されるが、全てを見るには「ハイライトタブ」への遷移が必要になるケースも。閲覧率低下の可能性あり。 |
表示順序 | 自動（更新日時順）で固定。制御は不可能だった。 | ドラッグ＆ドロップで戦略的に順序を制御可能。ピン留めも可能。 |
表示場所 | ハイライト内の投稿はフィード投稿と混在して表示されていた。 | メイングリッドへの表示ON/OFFを個別に制御可能。（アーカイブ機能強化） |
マーケティングへの影響：プロフィールの価値は「編集力」から「適応力」へ
9月の「四角化」アップデートにより、プロフィールの価値はコンテンツの質だけでなく「編集力」によって測られる時代が到来したと言われました。しかし、今回の「丸型回帰」を経て、その定義はさらに進化します。
現在の不安定な状況下で最も重要なのは、「適応力」です。自社のアカウントやターゲット顧客がどちらのUIで表示されているかを把握し、それぞれの特性を活かしたコミュニケーションを設計する能力が求められます。
3. インスタハイライトのアップデートが企業のInstagramマーケティングに与える影響
では、この混乱期を乗り切るために、企業は何をすべきなのでしょうか。答えは、丸型と四角型のどちらに転んでも対応可能な「ハイブリッド戦略」の構築です。ここでは、そのための3つの具体的なアクションプランを提案します。
【対策1】丸と四角、両対応の「セーフゾーン」カバー画像設計
最も緊急性が高く、かつ効果的な対策が、カバー画像のデザイン思想を根本から見直すことです。
この「セーフゾーン」設計を取り入れることで、「丸型に戻った際にデザインが崩れる」「四角に戻った際に中央が寂しく見える」といった問題を一挙に解決できます。Canvaなどのデザインツールでテンプレートを作成しておくと、今後の運用が格段に効率化します。
【対策2】UIに応じた表示順序の最適化と固定機能の戦略的活用
ハイライトの並び順も、UIによって戦略を変える必要があります。
丸型UIの場合：左端5つが勝負
丸型UIでは、プロフィールを開いた瞬間に見える左側の3〜5個のハイライトが最も重要です。ここに、現在実施中のキャンペーン、新商品、会社紹介など、最も伝えたい情報を集中させましょう。表示順は基本的に更新順になるため、重要なハイライトを先頭に表示させたい場合は、一度アーカイブし、再度ハイライトに追加し直すといった手間が必要になる場合があります。
四角グリッドUIの場合：ピン留め3枠を最大限活用
四角グリッドUIが適用されている場合は、ピン留め（固定）機能が戦略の核となります。最大3つの貴重な固定枠を、ユーザーの購買ファネルを意識して設計しましょう。
【固定枠1】行動喚起：期間限定キャンペーン、セール情報など（緊急性）
【固定枠2】信頼・共感：ブランドの想い、お客様の声(UGC)など（共感醸成）
【固定枠3】興味・関心：主力商品・サービス一覧、使い方ガイドなど（価値提案）
自社のアカウントがどちらのUIか定期的に確認し、表示順序を最適化する習慣をつけましょう。
このように、インスタハイライトは過去のストーリーズの保管庫ではなく、ブランドストーリーを語り、顧客を育成するための極めて重要な構成要素となったのです。プロフィールの価値が、コンテンツの質だけでなく「編集力」によっても測られる時代が到来しました。
【対策3】「メイングリッドからの非表示」機能の徹底活用
この機能は、9月の「四角化」アップデートで追加されたものですが、UIが「丸型」に戻ったとしても、プロフィール全体の整理に非常に有効です。
たとえハイライトがメイングリッドに表示されなくなったとしても、終了したキャンペーンや古い情報など、現在のブランドイメージにそぐわないハイライトは、プロフィール上から整理することが望ましいです。これらを完全に削除するのではなく、「アーカイブ」機能を使って非表示にすることで、コンテンツ資産を失うことなく、プロフィール全体のトンマナ（トーン＆マナー）を維持できます。
手順： 対象のハイライトを長押し → 「ハイライトを編集」 → ストーリーズ選択画面で不要なものを外す、またはハイライト自体をアーカイブする。
この地道な情報整理が、企業の信頼性やブランドイメージを静かに、しかし確実に向上させます。
4.企業が今すぐ取るべき4：5ハイライト最適化への3つの具体的な対応策
最も緊急性が高く、かつプロフィールの第一印象を決定づけるのが、カバー画像の見直しです。従来の円形から4:5の縦長比率（推奨解像度: 1080×1350ピクセル）に対応したデザインに刷新しましょう。
UIの変動に対応する守りの戦略だけでなく、ハイライトを積極的に活用する攻めのマーケティング戦略も同時に推進していくことが重要です。
設計指針のポイント
構図設計
縦長の比率に最適化された構図を意識します。単に既存の画像を切り取るのではなく、縦長であることを前提にデザインを再構築することが理想です。
要素の配置
ブランドロゴ、アイコン、テキストなどの主要な要素は、中央に寄せ、上下に十分な余白を確保します。これにより、予期せぬトリミングや見切れを防ぎます。
ブランド統一感
複数のハイライトで色調、フォント、アイコンのスタイルを統一することで、プロフィール全体に一貫性のある洗練された印象を与えます。
タップ誘導
ユーザーが「これはタップできる」と直感的にわかるような視覚要素（枠線、矢印アイコン、下部の「もっと見る」といったテキストなど）を取り入れ、クリック率（タップ率）の向上を図ります。
サイズ例・留意点
推奨解像度
1080 × 1350 px (アスペクト比 4:5)
ファイル形式
高画質を維持できるPNG形式を推奨。JPEGでも問題ありません。
効率化
Canvaなどのデザインツールでテンプレートを作成しておくと、今後の追加や修正作業が格段に効率化します。
既存素材の活用
既存の素材をトリミングして使用する場合は、必ず実機でどのように表示されるかを確認し、重要な部分が見切れていないかチェックしてください。
【戦略の核】表示順序の再構築と固定機能の活用
次に、ハイライトの表示順序を戦略的に再設計します。ただ並べるのではなく、「誰に」「何を」「どの順番で」伝えたいのかを明確に定義することが重要です。例えば、前述したユーザーの購買プロセス（ファネル）を意識した順序が効果的です。
表示順序の戦略的再構築例
【固定枠1】期間限定キャンペーン：最も訴求したいセール情報や新商品情報をピン留めし、機会損失を防ぐ。
【固定枠2】会社紹介／ブランドの想い：初めて訪れたユーザーに向け、企業のアイデンティティを伝える。
【固定枠3】商品・サービス一覧：どのような価値を提供しているのかを分かりやすく提示する。
お客様の声 (UGC)：第三者の評価を見せ、信頼性を高める。
よくある質問 (FAQ)：購入前の疑問を先回りして解消し、購入へのハードルを下げる。
お問い合わせ／店舗情報：次のアクション（購入、来店、問い合わせ）への導線を明確にする。
この順序はあくまで一例です。自社のビジネスモデルやターゲット顧客に合わせて、最適なストーリーラインを構築してください。
【世界観の統一】不要コンテンツの整理とアーカイブ活用
最後に、プロフィール全体の情報を整理し、洗練された印象を与えるために、アーカイブ機能を積極的に活用しましょう。
整理対象の例
終了したキャンペーンやイベントの告知
情報が古くなった商品・サービス
現在のブランドイメージやトンマナに合わない過去の投稿
これらのハイライトをメイングリッドから非表示にすることで、訪問者は常に最新で価値のある情報に集中できます。プロフィールが整理されていることは、企業の信頼性やブランドイメージの向上にも繋がります。「神は細部に宿る」という言葉の通り、こうした細やかな情報整理が、ユーザーに与える印象を大きく左右します。
5. ハイライトを活用したインスタマーケティング戦略
今回のアップデートは、オーガニックな運用だけでなく、Instagram広告戦略にも新たな可能性をもたらします。エンゲージメントの高いインスタハイライトは、ユーザーの興味・関心が凝縮されたコンテンツの宝庫であり、広告クリエイティブやターゲティングに活用することで、広告効果を最大化できます。
反応の良いハイライトを広告としてブースト（宣伝）
Instagramには、既存のストーリーズやハイライトを広告として配信する「ブースト（宣伝）」機能があります。まずはInstagramのインサイト機能を活用し、特にエンゲージメント率（いいね、コメント、保存など）や閲覧完了率、リンククリック率が高いハイライトを特定します。
その実績のあるコンテンツを広告としてブースト配信することで、全く新しいクリエイティブを制作するよりも低リスクかつ低コストで、高いパフォーマンスを期待できます。オーガニックで既に「勝ちパターン」と証明されたコンテンツを広告に転用するのは、最も効率的な手法の一つです。
Instagram広告の具体的な設定や費用対効果の改善方法は、下記の記事で紹介しています。
インスタハイライトやInstagram広告の成果を最大化するには、データ分析が欠かせません。下記記事では、インサイトの見方からインスタマーケティングへの実践的な活かし方までを解説しています。
購買意欲の高い層を狙う「リターゲティング広告」
より高度な戦略として、特定のハイライトを閲覧したユーザーを対象にしたリターゲティング広告が極めて有効です。ユーザーの行動履歴に基づいて、パーソナライズされた広告を配信することで、コンバージョン率を劇的に高めることができます。
具体的なリターゲティング例
「料金プラン」のハイライトを閲覧したユーザー
購買意欲が高いと判断し、購入を後押しする割引クーポンや期間限定オファーの広告を配信。
「お客様の声」のハイライトを閲覧したユーザー
比較検討段階にいる可能性が高いため、無料相談や導入事例の詳細を紹介する広告を配信。
「使い方ガイド」のハイライトを閲覧したユーザー
製品への関心は高いが使用方法に不安がある層と考え、活用方法を解説する動画広告などを配信。
この手法は、Meta広告マネージャで「エンゲージメントカスタムオーディエンス」を作成し、オーディエンスソースとして「Instagramアカウント」を選択、イベントとして「あなたのハイライトを閲覧した人」などを指定することで実現できます。興味関心の高いユーザーに絞って広告費を投下できるため、非常に高い費用対効果（ROI）が見込めます。
Instagram広告におけるハイライト活用法まとめ
ハイライトを広告戦略に組み込む方法を、フェーズごとに整理します。
Instagram広告におけるハイライト活用法
活用フェーズ | 具体的な手法 | 期待される効果 |
クリエイティブ制作 | エンゲージメントの高いハイライトコンテンツを広告クリエイティブに転用する。 | 実績のあるコンテンツのため、高いクリック率やコンバージョン率が期待できる。 |
ターゲティング | 特定のハイライトを閲覧したユーザーでカスタムオーディエンスを作成し、リターゲティング配信を行う。 | 興味関心の高い層に絞ってアプローチできるため、広告費用対効果（ROI）が向上する。 |
広告フォーマット | ハイライトをストーリーズ広告として配信し、リンクスタンプで直接ウェブサイトへ誘導する。 | シームレスなユーザー体験を提供し、コンバージョンを促進する。 |
6. インスタハイライトを活かすInstagramコンテンツの実践方法
表示方法や順番を最適化するだけでは不十分です。最終的にユーザーの心を動かすのは、ハイライトの中身そのものです。ここでは、ハイライトのコンテンツを強化するための5つの戦略的アプローチを紹介します。
ブランドストーリー・企業紹介を軸にした企画
企業の「人となり」を伝え、ファンを育成するためのコンテンツです。単なる製品紹介ではなく、その背景にある想いやストーリーで共感を呼びます。
具体例
「会社設立ストーリー」「ブランド理念・ミッション」「創業者の想い」「社員紹介」「オフィスの裏側」
FAQ／お問い合わせ・利用法まとめ系の活用
顧客が抱えるであろう疑問や不安を先回りして解消し、カスタマーサポートの負荷軽減と購入ハードルの低下を両立させるコンテンツです。
具体例
「よくある質問（送料・返品・保証など）」「ご利用手順」「〇〇の使い方ステップ解説」
UGC・レビュー・導入事例ハイライト
第三者の声は、何よりも強力な信頼の証となります。ユーザーが投稿してくれた写真（UGC: User Generated Content）やレビュー、導入事例を紹介し、社会的証明（ソーシャルプルーフ）を構築します。
具体例
「#〇〇（ブランド名）で見つけた素敵な投稿」「お客様のレビューまとめ」「ビフォーアフター事例集」
キャンペーン・期間限定オファーハイライト
緊急性や限定性をアピールし、ユーザーの即時行動を促すためのコンテンツです。ピン留め機能との相性が抜群です。
具体例
「〇月限定セール情報」「新商品ローンチ記念特典」「フォロワー様限定クーポン」
定期的な見直しとABテスト戦略
ハイライトは一度作ったら終わりではありません。定期的にパフォーマンスを分析し、改善を繰り返すことが重要です。
月次で「閲覧数」「タップ率」「リンク誘導数」をKPIとして計測。カバー画像のデザインやハイライトのタイトル、表示順序などを変えてABテストを実施し、最も効果の高いパターンを見つけ出します。
投稿に迷ったら必読の記事！最新のアルゴリズム変化を踏まえた、読まれる・拡散される投稿ネタやフォーマットを豊富に紹介しています。
7. 失敗しないための実践ロールアウト計画
理論を理解しても、実践に移せなければ意味がありません。ここでは、今回のアップデート対応をスムーズに導入・運用するための段階的なロールアウト計画を提案します。
初期導入フェーズ：チェックリスト＋初期設定手順
まずは、現状のアカウントを新仕様に最適化するための初期設定を、漏れなく実施します。以下のチェックリストを活用してください。
中期運用フェーズ：PDCAを回す改善サイクル
初期設定が完了したら、継続的な改善サイクル（PDCA）を回していきます。
月次レビュー
毎月、各ハイライトのパフォーマンス（閲覧数、完了率、タップ率など）をインサイトで確認し、レポートにまとめます。反応の悪いハイライトは内容やカバーを見直します。
四半期ABテスト
3ヶ月に一度など、期間を決めてABテストを実施します。例えば、「カバーデザインA vs B」「表示順序パターンA vs B」などを比較し、効果を検証します。
広告連携
月次レビューでパフォーマンスが良かったハイライトを、広告クリエイティブの候補としてリストアップし、広告チームと連携します。
拡張フェーズ：キャンペーンや新規展開への適用
基本の運用が定着したら、さらに発展的な活用を目指します。
大型キャンペーンとの連動
大型キャンペーンの期間中は、ハイライトの構成をキャンペーン仕様に大胆に変更し、ピン留めも活用してプロフィールのトップをジャックします。
新規事業・商品との連携
新商品や新サービスをローンチする際は、専用のハイライトを企画し、既存のハイライト構成の中に戦略的に組み込みます。
多言語・多地域展開
海外展開しているアカウントでは、言語別や地域別のハイライトを設計し、ターゲットに合わせた情報提供を行います。
8. よくある質問（Q&A）
最後に、今回のアップデートに関して企業担当者から寄せられることの多い質問とその回答をまとめました。
Q. ハイライトの表示が「丸」に戻ってしまいました。どうすれば「四角」に戻せますか？
A. 現時点（2025年11月）で、ユーザーが意図的に表示形式を切り替える方法はありません。これはInstagram側のA/Bテストによるもので、サーバー側で制御されています。アプリの再インストールなどを試しても変更はできません。Instagramが再度あなたの環境に四角いグリッド表示を適用するのを待つしかありません。
9月に作った4:5の縦長カバー画像はもう使えませんか？
A. そのまま使うと、丸型UIで表示された際に中央部分だけが意図せず切り取られ、デザインが崩れてしまいます。本記事で解説した「セーフゾーン」設計の考え方に基づき、重要な要素が中央の円に収まるようにデザインを再調整することを強く推奨します。
Q. 今後、ハイライトの仕様はどちらに落ち着くのでしょうか？
A. 長期的な予測としては、「四角いグリッド表示」が標準UIとして定着する可能性が高いと考えられます。これは、プロフィール全体のデザイン統一性や、コンテンツのポートフォリオ化を促進するというInstagramのビジネス戦略に基づいているためです。現在の「丸型回帰」は、その過程における一時的なテストまたは調整期間である可能性が高いです。
Q. 既存の丸いカバー画像をそのまま使っても問題ありませんか？
A. 技術的には使用可能ですが、推奨できません。新仕様の4:5比率の枠内で、円形の画像が中央に小さく表示されたり、意図せず拡大されて一部がトリミングされたりするため、見栄えが著しく悪化します。プロフィールの第一印象を損なうリスクがあるため、必ず新仕様に合わせて再デザインしてください。
Q. ハイライトを固定（ピン留め）できる数に上限はありますか？
A. はい、上限があります。現在の仕様では、プロフィールグリッドの最上部に最大3つまでのハイライトを固定表示できます。この貴重な3枠をどのコンテンツに割り当てるかが、戦略の鍵となります。
Q. ハイライトをピン留め（固定）できません。
A. ピン留め機能は「四角グリッドUI」に付随する機能です。お使いのアカウントが「丸型UI」に回帰している場合、ピン留め機能も利用できなくなっている可能性が高いです。その場合は、重要なハイライトを更新して左側に表示させるなどの代替策を取る必要があります。
Q. ハイライトを広告として使う際の注意点は何ですか？
A. ハイライト内の投稿（ストーリーズ）を広告化する際、オーガニックでの見え方と広告配信時（特にフィード面など）での見え方が異なる場合があります。必ず広告マネージャのプレビュー機能で、各配置での表示崩れがないかを確認してください。また、広告用に誘導文言やリンクスタンプを最適化する調整も重要です。
Q. ハイライトが専用タブに格納されると、見られにくくなるのではないでしょうか？
A. そのリスクは確かに存在します。タブ遷移の手間が増えるため、ユーザーの閲覧率が低下する可能性は否定できません。
この対策として、
①プロフィール文で「〇〇はハイライトをチェック！」のように明確に誘導する
②フィード投稿のキャプションやストーリーズから特定のハイライトへ誘導する
といった能動的な働きかけがこれまで以上に重要になります。
プロフィールは「名刺」であると同時に、「入口」でもあります。下記記事では、最新仕様を踏まえたプロフィール設計の考え方、最適なハイライト配置、ビジュアル調整、誘導文言の設計など、インスタマーケティングを加速させる戦略を詳しく解説しています。
まとめ｜ハイライトを軸にした次世代のInstagramマーケティング
2025年9月～11月ののInstagramハイライト機能アップデートは、単なる見た目の変化ではなく、企業がユーザーとコミュニケーションを取る上での根本的な戦略見直しを迫る、パラダイムシフトとも言える出来事でした。一連の仕様変更は、多くの企業に混乱をもたらしましたが、同時にマーケティング戦略の本質を問い直す機会を与えてくれました。インスタハイライトは、もはや単なる情報の保管庫ではなく、プロフィールの魅力を高め、訪問者を顧客、そしてファンへと育成するための強力な戦略ツールへと進化しました。この変化を脅威と捉えるか、好機と捉えるかで、今後のインスタマーケティングの活動の成果は大きく変わるでしょう。
本記事で解説した具体的な対応策や戦略を参考に、自社アカウントのインスタハイライトの内容、カバー画像、表示順序を全面的に見直し、最新の仕様に最適化してください。
そして、オーガニック運用で得られたデータをInstagram広告戦略に活かすことで、相乗効果を生み出し、Instagramマーケティング全体の成果を最大化することが可能です。この変化の波に乗り、競合他社に差をつける洗練されたプロフィール戦略を今こそ構築していきましょう。
コメント